指導歴30年の現場から見た 幼少期の運動経験が与える一生の影響
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― あの頃の「体を動かす楽しさ」が、今も子どもの中に息づいている ―
幼少期の運動習慣がもたらす「自然な体づくり」の違い
先日、以前私の教室に通ってくれていた生徒さんのお母さんから、弟くんの体験申し込みについてのLINEをいただきました。その何気ないやりとりの中で、幼少期の運動経験について改めて考えさせられることがありました。
体験申し込みの会話から見えてきたこと
このご家族には二人のお子さんがいらっしゃいます。お姉ちゃんは、小さい頃から以前私が講師を務めていた体操教室に通っていました。そして今回、弟くんも体操を始めてみたいということで、独立した今の私の教室を探して来てくださり、体験のご相談をいただいたのです。
会話の中で、お母さんがこんなことをおっしゃっていました。
お姉ちゃんは「意欲的に体を動かすことに取り組んでいる」のに対し、弟くんは「体を動かすことは嫌いではないけれど、、、といった感じ」だと。
この違いは、決して弟くんの努力が足りないわけでも、能力の問題でもありません。ただ、幼い頃に「体を動かす楽しさ」を知る機会があったかどうかという、環境の違いなのです。
「今からでも遅くない」という前向きな一歩
大切なのは、この違いに気づいた時に何をするか、です。
お母さんは今回、弟くんに体操を体験させようと動き出しました。今からでも、弟くんが体を動かす楽しさを知る機会を作ろうとしています。
これは素晴らしいアプローチです。「もう遅い」ではなく、「今から始めよう」という姿勢。子どもの可能性は、私たちが思っている以上に広がっているはずです。
幼少期の運動習慣がもたらすもの
幼い頃から運動習慣がある子どもには、次のような特徴が見られることが多いと言われています:
身体的な側面
- 基礎体力や運動能力の向上
- 体の使い方やバランス感覚が自然に身につく
- 怪我をしにくい体づくり
心理的な側面
- 「できた!」という成功体験の積み重ね
- 運動への抵抗感が少ない
- チャレンジ精神が育まれる
特に注目したいのが「自然に」という部分です。意識せずとも体を動かすことが楽しい、それが当たり前になっているという状態。これは幼少期だからこそ育まれやすい感覚なのかもしれません。
「違い」を「個性」として受け止める
ただし、これは決して「運動をしていなかった子はダメ」という話ではありません。
人には誰しも、得意なこと・苦手なことがあります。運動が得意な子もいれば、本を読むのが好きな子、絵を描くのが好きな子もいます。それぞれの子どもの個性を大切にしながら、「もしかしたら、こういう世界もあるかもよ」と扉を開いてあげることが、親にできることなのです。
弟くんだって、体を動かすこと自体は「嫌いではない」と言っているのです。ただ、まだ本当に楽しい体験に出会っていないだけかもしれません。
親としてできること、指導者として伝えたいこと
このお母さんとのやりとりから、私が感じたのは以下のようなことです:
早期から機会を与える意義 幼少期から運動の機会を与えることには確かに意味があります。体の使い方や運動への親しみが「自然に」身につく時期だからです。
でも、「今から」でも決して遅くない 気づいた時が始め時。子どもの可能性は、年齢で決まるものではありません。
比較ではなく、それぞれの成長を見守る 兄弟姉妹であっても、一人ひとり違う存在です。誰かと比べるのではなく、「その子自身」の成長を喜び、応援していくことが大切です。
最後に
以前講師を務めていた教室から、独立した今の私の教室を探して来てくださったこと。そして弟くんの体験についてもご相談いただけたこと。指導者として、これ以上に嬉しいことはありません。
お姉ちゃんは、これまで培ってきた運動習慣を楽しみながら。弟くんは、これから自分に合った形で体を動かす楽しさを見つけながら。二人とも、それぞれの道で、それぞれのペースで成長していく。
それを応援できる親御さんがそばにいて、私たち指導者も、その成長を見守り、サポートしていける。それこそが、何より大切なことなのではないでしょうか。
この記事は、以前の教室から今の教室まで探して来てくださった保護者の方との会話をきっかけに、幼少期の経験と子どもの成長について改めて考えたことをまとめたものです。すべての子どもたちが、自分らしく、楽しく成長していけることを願っています。


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